鉄人MLBのC・ロフトンにモンスターと言わしめる♂はやはりアノ♂でした。本場RAIDERSファンの今季開幕スタメン予想(オフェンス編)

2015年06月10日

ファン必見 Novel『Raider Nation』前編 by#00さん

sahaっす

今回、ご紹介する Novel『Raider Nation』は、いつも当blogにコメントを寄せて下さる#00さんの作品です。
東京渋谷のバーを舞台にした、あるサラリーマンの話ですが、#00さんのRAIDERSに対する情熱が心地よく伝わってくる、とてもハートフルな作品となっています。
是非癒されてください。
では…
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「へえ、こんな店あったっけ…」
 義男はふと足を止めた。

 義男は商談のために東京に出張して来たビジネスマン、商談は思った以上の成果を上げることができ、電話口の部長も上機嫌、金曜のことでもあり、このまま一泊したいと申し出ると「特別だぞ」と言ってOKを出してくれた。
 地元の会社に勤めているが、学生時代をこの東京で過ごした義男は、その頃良く遊んだ渋谷の町をぶらぶらしたいと思ったのだ。

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 渋谷はほぼ10年ぶり、街の雰囲気もかなり変わったが、店はそれにも増して入れ替わっている。
 友達と良く飲んだ店を訪ねてみたが別の店になっていた。
 当時、合コンで彼女をゲットした店にも行ってみたが、そこも空振り。
 その彼女と何度かデートした店にまで行ってみたが、そこも看板が変わっていた。
(まあ、どれもこれも若向きの店だったしな…仕方ない、適当に落ち着いた店を探そう)
 そう思ってぶらぶらしていた時に黒い扉が目に留まった。

Raider Nation
 どうやらバーらしいのだが、黒い扉に銀色で海賊らしき眼帯をした男の顔が描かれていて、その上に店名が記されている、色合いはシックだが、カジュアルでスポーティ、洗練されていて勇壮な感じもする。
 義男は31歳、高級バーで飲むほど金はないし、持っていたとしてもあまり高級店では落ち着かない、と言って若向きの騒がしい店もまた違う意味で落ち着けない。
 そんな31歳にとって、この扉の雰囲気はなんとなくしっくり来る…。
(この雰囲気ならそうめちゃめちゃに高い店ってこともないだろうな、高かったら一杯だけ飲んで出ちゃえば良いし…)
 そう思って義男は黒い扉を開いて中を伺った。

 どうやらスポーツバーらしい、奥の壁にスクリーンが備え付けられていて、スポーツの試合が流れている。
 ちょっとばかり映像が古めかしいが、スポーツバーなら安心だ、義男は足を踏み入れた。

Just win baby!!
 扉と同じ黒字に銀で『2』と染め抜いてあるドアマットを踏むと、いきなり頭上から大きな声が降って来た。
 見上げると、なにやら祭壇のようなものがあり、ビシッと決めたオールバックにサングラス、黒いジャンパーを着た精悍な男性の写真がかかげられている。

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 そして、その声を聴くと、店中の客がいっせいに振り向き、義男はちょっとたじろいだ。
 と言うのは全員が同じシャツ…いや、ジャージを着ている、もちろん黒と銀の…。

「この店は初めてかね?」
 一番近くのテーブルに座っていた、#00のジャージを着た老人が声をかけてきた。
「え、ええ…東京は10年ぶりなものですから」
「10年?何を言ってるんだ、この店は1960年からここにあるよ」
「え?…でも、東京の大学に通っていましたから渋谷は良く来ましたし、この近くの店には何度も・・・でもこんな店はありませんでしたよ」
「ふむ…その封筒を見せてくれ」
「これですか?会社のパンフレットが入っているだけですが」
「いや、中身じゃなくて封筒だよ…やはりな」
「なにが『やはり』なんですか?」
「その封筒に書いてある文字じゃよ」
「文字?『愛され続けて52年』ですか?」
「その数字じゃよ、その数字が君をここに呼び寄せたんじゃ」
「数字って52ですか?まあ、確かに50年とか60年ならともかく、52年ってのは半端ですよね…でも52が何か?」
「ここでは特別な意味を持つ数字なんじゃよ」
「あなたの#00も?」
「そうじゃ、皆特別な数字を持っていてな…見ろ」

 見回すと確かに様々な数字のジャージを着ている、#8 #11 #12 #16 #21 #24 #25 #32 #34…。
「わかった、皆さん同じジャージを着ているってことは、どこかのチームのファンで、名選手の背番号なんですね?」
「いかにも、そうじゃよ」
「あ、確かに#52の方もいらっしゃいますね、随分と若い人だな…でも名選手の背番号にしては結構大きい数字ですよね、#63とか#75とかの方もいらっしゃいますし…何のスポーツなんですか?」
「アメリカンフットボールを知らんのか?」
「一応は・・・でもルールも良く知らなくて…そう言えば随分と大きい背番号をつけてるなとは思ったことがあります」
「ふむ…知らんのなら教えてやろう、フットボールではポジションごとに何十番台をつけると言う決まりがあるのでな」
「そう言うわけだったんですか…で、あなた方は何というチームのファンでいらっしゃいますか?」
「オークランド・レイダースじゃよ」
「オークランドってオーストラリアの?」
「違う!アメリカに決まっておろうが」
「ああ、アメリカンフットボールですもんね…でもオークランドってどの辺にあるんですか?」
「西海岸、LAの北の方じゃ」
「それだと、SFの近くですか?」
「まあ、合っているが…その地名はここではあまり口にしない方が良い」
「あ、そう言えば49ersなら聞いたことが…」
「しいっ!今のは禁句じゃ、二度と口にするな」
「あ…はい…そうか、ライバルなんですね?」
「ライバル?ふん、あんな軟弱なチームがライバルでなどあるものか、真っ赤なジャージなど着てちゃらちゃらしおって…」
「わかりました・・・気をつけます」
 どうやら相当に熱狂的…と言うより狂信的なファンが集う店らしい…。
「そう言えば、あの祭壇は?」
「あれか、あれは親愛なるアル・デービスの遺影じゃよ、我々は親しみをこめて『アル爺』と呼ぶがな」
「遺影…それで祭壇を…どういう方なんですか?」
「我らがレイダースの礎を築いた偉大なオーナーにしてGM、HCでもあった」
「HC?」
「まあ、野球で言えば監督じゃな」
「オーナーでGM、監督って…全権掌握じゃないですか」
「いかにも、だからこそ個性的な常勝チームを作り上げられたんじゃよ」
「それじゃ、あなた方にとって…」
「神・・・そう呼んでも良いくらいじゃな」
「なるほど…」
「大きな声では言えんが、あまりに全権を掌握していたんで晩年は弊害もあったがな…」
 #00の老人はニヤリと笑って片目をつぶって見せた。
「さっきの『Just win baby!』って言うのは?」
「彼の口癖じゃよ、そのカリスマ性で一癖も二癖もある選手を纏め上げた彼のな」
「なるほど…」
 なんとなく『アル爺』の人となりが見えてきた…そう言う野心的で強烈な個性を持つ人物は嫌いじゃない、改めて写真を見上げると精悍だが人懐っこい雰囲気もある。
「僕、この人結構好きかも…」
 半分独り言だったが、#00の老人はそれを聞きつけたのか、ニヤリと微笑む。
「そうか…ようこそ、Raider Nationへ」
「え?もう仲間に入れてくれるんですか?」
「ああ、同じ感性を持つ者同士だからな…君、歳はいくつだ?」
「31です」
「というと?…何年生まれかな?」
「84年です」
「ほう!まんざら縁がないわけでもなかったらしい、今流れている映像は84年にレイダースがスーパーボウルを制した時の映像なんじゃよ、84年1月22日…レイダースが最後に全米の、いや、世界の頂点に立った日だ」
「1月22日?それって僕の誕生日ですよ」
「何と!84年1月22日生まれだと!?」
 #00の老人が大きな声を張り上げたので、店中の視線が集まった。

「スーパーボウルXVIIIの日に生まれただと?」
「レイダースの申し子じゃないか」
「君はRaider Nationになるために生まれてきたようなものだ」
 皆が口々にそういいながら義男をスクリーンの前へと誘う。
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Novel『Raider Nation』by#00さん 後編は近日ご紹介させていただきます。
※#00さん 画像はイメージで挿入させていただきました。


saha4678 at 03:05│Comments(2)#00さん 

この記事へのコメント

1. Posted by #00   2015年06月10日 03:52
 ネタに困った時で良かったのに・・・。
 でも、WORD画面で見ているのと違って黒い背景だといいっすね。
 写真もちりばめて頂いて有難うございます。
2. Posted by #00   2015年06月10日 07:36
 とりわけADの写真はPinpoint!
 『Just win baby!!』の文字も目に入って完璧です、店内の写真もいい感じで、センスあるなぁ。
 後半もこんな感じで、是非。

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